父と母の再会

ついこの前、父と母が10年振りに再会しました。

僕が小学校5年生の頃に離婚して、それから高校生になるくらいまでは弟と一緒に家族4人でご飯も行っていましたが、

それも僕が大学に行くと同時になくなり最後に両親が揃ったのを見たのは、もう10年前になります。

父親は画家で、昔から自分を曲げることができない人でした。今のように絵に専念する前は、色んなビジネスをしていたようです。

25歳で独立してバブルにのる前から事業が軌道に乗り、好き放題していたそう。

そんな景気もバブルが終わると同時にパタンと終わり、一気に天地がひっくり返ったとか。

ドン底の状態で母と出会って、のちに僕が生まれたと聞いています。

小さい頃から貧乏で、借金取りや悪い大人が家に来たりもしていました。当時は、連絡が取れないように電話線を抜いていたので、学校の先生から「市谷くんの家はなんで電話が繋がらないの?」も聞かれていました。

それでも父は絵を描いたり、ふらふら飲みに行ったり。

母はいつもお金に悩まされて、頭を抱えていました。

思春期に入ると、そんな自分の状況が嫌で嫌でたまらなかった。

“このままでは、自分が大人になったときも同じことを繰り返してしまう”

そう思って、勉強を必死に頑張っていました。

部活では野球部ではキャプテンをやったり、クラスの学級委員長をやったり。

そうかと思えば、悪い友達と連んでみたり。

とにかく目立ちたがり屋の子でした。

きっと両親にもっと見て欲しかった、もっと言えば父親に認めて欲しかったのかもしれません。

小5で離婚したものの、色々あって中学を卒業するまでは同じ屋根の下暮らしていました。

高校に入ると、家を引っ越すと同じくして父親とは離れて暮らすことになりました。

高校に入ってからは、勉強をする気も失せて、やる気のない高校生になりました。

当時は気づいていませんでしたが、父親と離れたことが大きく影響していた気がします。

たぶん最後に家族4人で会ったのは、高校3年生のとき。父親のアトリエの近くにある焼肉屋、“焼肉ごろう”という名前のお店。

すごく楽しかったわけでもなく、楽しくなかったわけでもなく、少し疲れが残った食事会でした。

ただ覚えているのは、帰っていく父親の後ろ姿が寂しそうだったこと。

心の中では「自業自得だろ」という思いもあったけど、本当は一緒に帰りたかったんだと思います。

離婚したあの日から、僕は父を反面教師だと思って生きてきました。

父親のようにはなりたくない。

家族に迷惑をかけてはいけない。

だから、普通に就職して普通に暮らしていきたかった。

でも、不思議なもので僕も何かに掻き立てられて、自営の道を歩むことになりました。

寝る時間以外は、Webの仕事と勉強に使いました。

ある程度のお金が手に入ったとき、これだけでは幸せになれないと気づき、マインドやメンタルの勉強をするようになりました。

そこで学んだことを活かして、父と母の人生や、お互いにどう思っていたのか、どう思っているのか、を探ったりしていました。

父親は母に、申し訳ないことをしたと。

母親は父に、支えてあげれなかったと。

そんな2人の想いを聞いたとき、また家族4人で笑える日が来たら良いなと願っていました。

きっと、離婚することになった20年前から、2人は同じことを考えていたのだと思います。

20年、、決して短い時間ではないですが、確かに時間と共に2人の心にも、僕たち家族の心にも変化があったようです。

そして先日、父が絵の展覧会をすると聞き、母から家族で行こうと提案してきました。

そのときは、久しぶりだなぁ〜くらいにしか思っていませんでしたが、いざ2人が話しているのを見ると、こみ上げてくるものがありました。

絵の前で、楽しそうに話している2人を見て、僕は会話に入るわけでもなく、スーッと後ろに下がり、ただただその光景を目に焼き付けていました。

2人が仲良く話しているのを見たのは20年以上振りです。ほとんど記憶にありません。

「良かった」とか「良かったね」とかでもなく、ただ喜びに溢れた時間でした。

そのあと、家族で、父親の絵の前で写真を撮りました。

僕が欲しかったのは、これだったんだなと分かりました。

お金や地位や名誉があっても、手に入らなかったもの。でも、1番欲しかったもの。

あの日から今までずっと心の奥で絡まっていた糸が、スーッと解けていくのが分かりました。

まだまだ言葉にするのが難しいですが、ここからまた新しい人生が始まっていく予感しています。

親は選べない。

そう思っていましたが、

きっと

僕が両親を選んで

生まれてきたんだと、

根拠はないけど

間違いなく

そう思いました。

画家である父

父の絵を信じたかった母

それに振り回された僕たち家族

それでも、

家族を繋いでくれたのは

やっぱり父の絵でした。

きっとそこに僕の人生の使命がある

そんな気がしています。

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